労働問題事件簿2(労働者の皆様へ)

現在、会社と労働者の間で様々な問題が発生しています。特にパートタイム・アルバイト等の非正規雇用労働者の待遇(労働条件)に関することは、今最も大きな問題になっています。 今や労働者の内の4分の1を超えるとも3分の1を超えるとも言われている彼らの問題を、いくつかご紹介しましょう。

事件簿3 時間外手当

1日の労働時間が8時間を越える場合、または1週間の労働時間が40時間を越える場合、使用者は労働者に2割5分以上5割以下の割増賃金を支払わなければならない。また、法定休日(1週間に少なくとも1日以上、もしくは4週間に4以上の休日を与えなければならない。)に労働した場合は3割5分以上、原則22時以降翌日6時までは2割5分以上の割増賃金を支払わなければならない。
この法律を知らない(善意の)、又は知っているにもかかわらず適用しない(悪意の)使用者がいました。

その人(Eさんという)は、G会社で1日8時間(9時から18時、休憩1時間を含む。)
週に5日勤務のアルバイトとして働いていました。ある日F社長から“社員が退職したため、代わりの社員を採用するまで週に3日、2時間程度残業して欲しい。”と言われました。
Eさんは特に用事もないため、こころよく引き受けました。
2週間後、代わりの社員が来て、Eさんは残業する必要はなくなりました。
その月の給料日、明細を見たEさんは少し納得がいきませんでした。確かに残業時間分の給料は支払われていました。しかし、それは通常の時間給であって、割増賃金分が加算されていなかったのです。
Eさんは不信に思い、F社長に尋ねたところ、F社長からこのように言われました。
“アルバイトは時間給のみだよ。割増手当はないよ。”

パートタイム・アルバイト等呼び方は違いますが、彼ら非正社員も立派な労働者です。ですから当然、労働基準法が適用されます。すなわち、法定の労働時間を超えて働いた場合は、必ず割増賃金を支払わなければなりません。
Eさんの場合、明らかに法定労働時間(1週間40時間)を超えています。
(8時間×5日+2時間×3日=46時間・・・・6時間分は割増賃金が加算される)

この場合、F社長はEさんに割増賃金を支払う義務があります。
賃金は、一ヶ月以内の一定の期日に、通貨で、直接本人に、その全額を支払わなければならない。F社長には6時間分の割増部分の賃金を支払う義務があります。
これに違反するとF社長に30万円以下の罰則が適用されます。

事件簿4 年次有給休暇

非正規雇用社員にも年次有給休暇はあるのでしょうか?
‘使用者は、その雇い入れの日から起算して6カ月継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない。’(労働基準法第39条)


Jさんは“スーパーT”で週に3日パートタイマーの仕事をしています。勤め始めて もう2年を過ぎました。この会社の正社員が、年次有給休暇を取るのを知ってうらやましい半面、ふと疑問に思いました。‘パートタイマーには年次有給休暇がないのか’と。
Jさんは本屋で労動基準法の本を見て、6ヶ月間働くと年次有給休暇がもらえる権利があることを知りました。
そこで翌日、上司であるH主任にそのことを伝えると、 “パートタイマーには年次有給休暇の権利は無いよ。あれは正社員だけだ。”と冷たく言われました。
Jさんはどうも納得がいきません。


所定労働日数が通常の労働者に比べて少ないパートタイマー・アルバイトであっても、
1.1週間の労働時間が30時間未満の者、かつ
2.週の所定労働日数が4日以下、又は1年間の所定労働日数が216日以下の者。
以上の条件に該当すれば、6カ月間継続勤務して全所定労働日の8割以上を出勤しいていれば年次有給休暇が発生します。 週の、又は年の所定労働日数に比例して与えられることから、比例付与と言われます。Jさんの場合ですと、勤務し始めて6カ月を超えた時点で5日。その後1年を経過した時点で6日。
合計11日の年次有給休暇を取る権利があります。

‘事件簿1・2’どちらの場合も労働基準法をよく知らない使用者がこのような対応をされることが多いようです。このような使用者には、確認してもらうよう説得するか、専門書(労働基準監督署にあるパンフレットを活用するのもいい方法)を見せながら説明して納得させることが良いかと思われます。
しかし、中にはこの法律を知っていて(悪意で)割増賃金を支払わない、年次有給休暇を与えない使用者が存在することも事実です。
もし、説明をしているにもかかわらず応じないような場合は、労働基準監督署に行く(電話することでも良い)、又は専門の法律家(社会保険労務士)に相談するかされることをお勧めします。

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